ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

ツイ・ハーク、2011。67年のキン・フー『残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿』のリメイク。ツイ・ハーク&ジェット・リーが久々にタッグを組んだ、空飛ぶ3D武侠映画。これは娯楽大作だから3Dで楽しみたかったところなのだが残念ながら2Dで見た。この映画の登場人物には、空を飛べるキャラクターはいないのだが、やたらとみんな空中戦をやりたがる。横移動ではなく縦移動をやりたがる。それはまるで人間が古来持っていた翼を復古しようという試みのようにも見える。それほどまでにこの映画において飛ぶという行為は重要な要素となっている。当然撮影もCG全開で空飛ぶ撮影をしている。映画の前半は腹の探り合いをしているのだが、後半になるとよくあるヒーロー物のようにキャラクターが立ってくる。そして後半一気に娯楽チャンバラ時代活劇となればよいのだが、この映画、そう簡単にはいかない。ストーリーには明確な目的があり、登場人物たちはそれにしたがって動いている。しかしその目的はなし崩し的なものになっていく。そして喪失感バリバリの人間ドラマが表出するのだ。それは先の例でいえば翼を欠落した人間たちのドラマであり、飛べない鳥たちのドラマであるようにも見える。端から負け戦をしているような無常観。ただそういった狙いがあるのだとすれば、もっと行き止まりの行き詰まり感がほしかったところだ。90点。