円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

行定勲、2014。西加奈子の小説「円卓」の映画化。少女こっこのひと夏の成長をユーモアを交えて描いている。小説は独特の三人称で書かれており、それが物語にリズムをもたらしていた。でもそれは映画にそのまま移行できないから難しい映画化になると思っていたのだが、伊藤ちひろによる脚本が思いの外素晴らしい。小説の語りの部分のユーモアを映像作劇として見事に転化させており、物語自体も削ぎ落としたり残したり足したりと感心するほど鮮やかにやってのけている。そしてこの映画を決定づけているのは芦田愛菜の演技に他ならない。芦田の演技らしい演技は子役というイメージを超えるものがあり、それによりこの映画は子どもの映画というイメージを簡単に超越してしまっているのだ。芦田の演技がなければ、家族を含め大人と対峙したこっこと、子どもと対峙したこっこのフラットな関係性は生まれなかっただろうし、そこをフラットに描けなければ、大人対こっこは説教臭くなり、大人になろうとするこっこは、より教訓めいたものになってしまう気がする。また芦田の演技にはスピード感とそれに伴う情報量があり、それが映画をシンプルかつスマートなものにしていた。ただ芦田芦田ではなくもうひと押し何かほしいと感じたのだが、まあよくできた商業映画でした。95点。