冒険者たち

ロベール・アンリコ、1967。冒頭から、アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラの揺るぎない友情関係、信頼関係というものが見事に描かれている。ロケーションとしてのガレージも最高だ。そこにジョアンナ・シムカスが登場し、男2人との友情や恋愛などを絡めたエピソードが展開されるのだが、それは男2人の関係性を脅かすようなものではない。その微妙なさじ加減がこの映画を俄然おもしろくしている。3人はみな冒険者なのだが、それぞれにヴィジョンが異なり、そのヴィジョンに敬意を払っている。そこを出発点として3人の関係性が描かれているから、裏に陰謀がうずめいてはいるものの、気持ちのいい冒険映画になっている。男2人の関係はわかりやすいのだが、ジョアンナ・シムカスの存在は危険ではないが謎めいた部分がある。そして彼女は死に、海底に沈められる。そのシーンを美しく描けたことで、そののちにあらわれる要塞島とシムカスの密な関係性はより強調されている。それにしてもシムカスの不在がとてもいい。結構尺を残して死ぬのだが、要塞島や親戚や男2人によって常にシムカスは「存在」し続けるのだ。そしてアラン・ドロンが死に、リノ・ヴァンチュラが要塞島に取り残された孤独な空撮によって映画は終わる。現実と幻想が厳しくも優雅にせめぎ合う素晴らしいラストショットだ。全編に貫かれる鉄のイメージも秀逸である。95点。