太陽は光り輝く

ジョン・フォード、1953。物語は1900年頃のケンタッキーの田舎町が舞台で、判事プリーストを通して語られる。彼には選挙が迫っており、票集めをしたいとも思っている。しかし譲れないものがある。それは人間の尊厳といってしまえばそれまでなのだが、その描かれ方が素晴らしいのだ。出番は少ないものの重要なキャラクターである女の登場シーンが忘れられない。船が去り、彼女が残り、アップになる。それだけで驚愕なのだ。船の作り出した波の色とうねりは、彼女の行く末を見事に暗示している。それをアップで捉える彼女の視線が強調する。その後も物語の枝葉を回収するような役割を演じ、この映画のハイライトとなる葬列のシーンとなる。この長いシーン、音は馬の蹄の音と車輪の音と人の歩く音のみである。それが最高に効果的なのは、映画を彩る劇中音楽があるからだろう。フォードは様々な登場人物やエピソードを、いい意味で無造作に演出している。そこには説明不足的なわかりにくさがあるのだが、それを上回る美学が感じられるのだ。そして、判事が貫く人間の尊厳には決して色褪せることのない普遍性がある。判事のラストは素晴らしいもので、そこには無造作ではないフォードの深い愛情が感じられた。100点。