シェーン

ジョージ・スティーヴンズ、1953。西部開拓時代のワイオミングでは、開拓農民たちと古くから住む悪徳牧場主のあいだで争いが絶えなかった。そこに流れ者シェーンがあらわれて、という西部劇。この映画はとてもアメリカ的な映画といえるだろう。アメリカ人の発言によく聞かれる、地元愛や家族愛の尋常ではない強さ。ちょっとびっくりするくらいに強い。そしてこの映画の根幹には強烈な地元愛や家族愛がある。思い出されるのはヴィンセント・ミネリの『若草の頃』だ。そして『若草の頃』でいえばジュディ・ガーランド一家にあたるのがヴァン・ヘフリン一家だ。そこに流れ者のアラン・ラッドが登場する。物語はヴァン・ヘフリンの息子の視点を有効利用して語られていくのだが、この少年にこの大役は力不足な感じがした。しかし少年ゆえの行動力は存分に生かされている。それはこの映画に出てくる様々な動物たちと同じように、大人では決してあり得ない行動であったりする。その演出がピークを迎えるのが、ラッドとへフリンの決闘のシーンだ。動物たちが動き回るのだが、カメラも自在なポジションからそれを捉えていく。この映画全体を通して撮影と編集は素晴らしかった。切り返しは大胆不敵にやってのけるし、カットの多さが長回しの効果を押し上げていた。そしてやはりアラン・ラッドの早撃ちと銃声は、後世に影響を与えるのも納得の見世物だった。95点。