いとこ同志

クロード・シャブロル、1959。ほぼ全編色恋まみれの映画でここまで描くのだから、大した演出力だと感心した。もともとシャブロルはヌーヴェルヴァーグらしからぬ「普通さ」を持った監督で、『美しきセルジュ』に続くこの作品でも、撮影のアンリ・ドカエと共に、手堅く、老練とでもいいたくなるような演出力を随所に見せる。人物の移動に合わせて計算し尽くされたカメラワークは絶品である。例えばジェラール・ブランとジュリエット・メニエルがパーティーの喧騒から抜け出し外で話すシーン。一、二ヶ所、ヌーヴェルヴァーグっぽいカメラワークがあるのだが、それ以外は丁寧に作り込まれたショットがカットされていく。別のシーンでは、二回転するカメラや、ジャン=クロード・ブリアリとジェラール・ブランのドライブのシーンなどでは、ヌーヴェルヴァーグっぽさが散見されるのだが、奔放なショットやカットはそれくらいしか見せない。しかし、描かれる物語はとてもヌーヴェルヴァーグらしいものだ。無鉄砲な若者の映画であり、ドラマチックな展開は避けられ、大概パーティーをしているだけである。その世界の中心にいるのがブリアリで、彼の図抜けた存在感は様々な説明描写を不要にするほど圧倒的なものだった。その対照として描かれるブランの淡白さのようなものもある意味すごい。物語は単純なのだが、それ以外の部分は見るべきものの多い作品だった。95点。