映画 深夜食堂

松岡錠司、2014。人気コミック原作のテレビドラマの映画化。3つのエピソードがオムニバス形式で展開される。高岡早紀編、多部未華子編、筒井道隆編とあるのだが、ラストの震災を絡めた筒井編はちょっと食堂から離れてしまったかなという印象で、しかも脚本として消化しきれていない。高岡編はどうにでもなる内容だったから、多部編を引き伸ばして高岡編を吸収し、筒井編を削除して90分くらいにまとめれば、よりおもしろい映画になっていたかもしれない。3つのエピーソードを綴るにしても、群像劇にしたり、終盤に3つのエピーソードが収束したりといったように、各エピソードにもっと関連性がほしかったところだ。でもそうならないのは、テレビドラマ版の良さを維持しようとしたからだろう。だからテレビドラマ版のファンには受け入れやすいのかもしれない。安心感があるのかもしれない。あのぬくもりのある雰囲気、あのこじんまりとしたエピソード。テレビドラマ版は見ていないのだが、そういったものは伝わってくる。これは映画なんだから、こんなのテレビでやってりゃいいじゃん、という気は特にないのだが、映画だからこそできることをやってほしかったという思いは強く残った。筒井編、及び終盤の田中裕子に関しては無理があると感じたが、あとは良かっただけに残念だ。おそらくテレビドラマ版と同じであろう、脇を固める役者たちは素晴らしかった。90点。