手紙は憶えている

アトム・エゴヤン、2015。アウシュビッツ収容所の生き残りで、認知症を患うクリストファー・プラマーが、同じ施設にいる同じく生き残りのマーティン・ランドーの手引きでナチに復讐をする物語。でも物語は最後にどんでん返しが待っていて、実はクリストファー・プラマーは収容所の生き残りではなくナチの親衛隊で、復讐相手もナチの親衛隊で、陰で糸を引くのが本物の収容所の生き残りマーティン・ランドー、ということになる、らしい。で、脚本がよくわからなかったのだが、プラマーは自分がナチだと知っていたことが最後に明かされるが、これは嘘なのだろうか。で、すべては認知症の症状であるならば、プラマーは自分が収容所にいたユダヤ人であるという記憶と、自分はナチでユダヤ人を大量殺戮したという記憶があることになるのだが、どこでどうそれらの記憶が交錯しているのかもわからなかった。交錯はしていないのだろうか。わからない。ラストのどんでん返しまではおもしろい映画だと感心して見ていた。認知症ゆえに史上稀に見る頼りない殺し屋となったプラマーが、綱渡り状態で男を追うサスペンス。もったいぶることもせず、スマートな演出にも好感が持てた。しかし、脚本が難しすぎてラストのどんでん返しの説明がわからず、映画の感慨もふっ飛んでしまった。もう一度見れば理解可能なのかもしれないが、見ることはないだろう。90点。