明日に向って撃て!

ジョージ・ロイ・ヒル 、1969。1890年代を舞台にした、実在の銀行強盗であるブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッドの物語。まずポール・ニューマンはポール・ニューマンらしくブッチ・キャシディを演じていていい感じなのだが、ザ・サンダンス・キッドを演じるロバート・レッドフォードがかっこよすぎてぶったまげる。この映画は二人のバディ・ムービーなのだが、二人の相互補完的な関係性がしっくりくるように描かれている。注目すべきはその関係性のあり方だ。まるで現代劇のような関係性であり、西部劇の関係性としてはやわすぎるのだ。映像演出も西部劇からは逸脱しており、バート・バカラックによる音楽も「雨にぬれても」をはじめとして、西部劇らしからぬ音楽の使い方をしている。大規模予算の映画だし、監督は職人的な仕事をしているとはいえ、異色の西部劇という側面からみるとニューシネマ的なのだろうと思う。しかしこの映画をニューシネマとして決定づけているのはラストシーンだ。ありきたりのハッピーエンドを嫌うニューシネマのなかでも、この映画のラストシーンは出色の出来だろう。ここでもポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの関係性がすごくいい。人情劇に陥らず相互補完的関係性を担保にラストまで乗り切ってしまう。ラストショットは、その衝撃という意味では映画史に残るものだろう。95点。