赤い河

ハワード・ホークス、1948。この西部劇は、冒頭で「偉大なる牛追いを成し遂げた、ダンソンとマシューの、そして”赤い河とD”の物語である」と文字で表示される。つまりスリリングなシーンが度々あるのだが、結果は最初に提示しているのだ。でもそんなことはお構いなしにこの映画はスリルとサスペンスで時間を調節しながら長い旅をテンポよく描いていく。相変わらず素晴らしいのが、ショットそのものと、それがカットされるタイミングだ。これはハワード・ホークスの映画全般にいえることで、毎度のことながら素晴らしい。やたらと背景に動くものを置きたがる美意識や、昼と夜がほぼ交互にあるのだが、どちらも煙であったり靄であったりが美しい。終盤、ジョン・ウェインとモンゴメリー・クリフトが仲違いするあたりからは見所だらけといってもいいだろう。煙を立てて汽車がやってきて、手前を牛が走ってるショットは見事だったし、ラストのの決闘もまた見事だった。この映画は父子の物語であり、その類似と差異を反復させることによって物語は格段におもしろいものになっている。最後はふたりともヒーローあるいはアンチヒーローとなる決着のつけ方がまた素晴らしく、厳しくなりがちな映画にユーモアを持ち込んでくれたウォルター・ブレナンの好演も光っていた。100点。