ニーナ・シモン〜魂の歌

リズ・ガーバス、2015。Netflixによるニーナ・シモンの長編ドキュメンタリー。音楽的なこと、例えばアルバムのリリースだとか、バンドメンバーのことなどはあまり語られず、ライブが中心になっているのだが、じっくり聴かせることもあまりせず、ニーナ・シモンの後年のインタビューや彼女をよく知る人たちの証言を交えて一気に人生を顧みるという感じの映画となっている。証言者としては長年活動を共にしたギターのアル・シャックマンの発言はすごく興味深かった。あとはニーナ・シモンの殴り書きのような日記がすさまじい。それにしてもこの画面に映るニーナ・シモンの強烈さといったらなかった。「Mississippi Goddam」を歌う映像や冒頭の映像や、パリの安いバーで偽物だと思われながら歌う姿、終盤のモントルーなど、振り幅がとにかく大きすぎて圧倒されるのだ。公民権運動前まではよくあるスターの内面映画にとどまっているのだが、それ以降の映画の展開というかニーナ・シモンの生き様の山あり谷ありはフィクションよりもフィクショナルだった。これは映画の構成力の為せる技だと思うのだが、ライブをしっかり聴かせることをせず、しかしライブを中心に構成していて、そこにニーナ・シモンの音楽と人生が立ち現れてきて、彼女の放つオーラがそのまま映画に乗り移っているような気がした。95点。