スティング

ジョージ・ロイ・ヒル、1973。舞台は1930年のシカゴ。詐欺師ロバート・レッドフォードは、相棒をマフィアのボスに殺され、相棒の友人ポール・ニューマンとその仲間たちと共にマフィアに復讐をするという物語。かなり重たい、激しくてタフな物語展開が予想されるのだが、映画の雰囲気はチャーミングとでもいいたくなるような痛快コメディ作品になっている。ただ、集中力の問題もあり、登場人物の関係性がイマイチ理解できなかった。詐欺師、マフィア、殺し屋、警官、FBI、そんだけなのだが混乱した。吹替版ならもう少し理解できたと思う。芸術映画でもなんでもないから、吹替版で十分だろうし、そのほうがエンタテインメントとしては楽しめるような気がした。ヒッチコック的なグローブのクローズアップや主観ショットの使い方など、サスペンスとして見るべきものはある。でもこの映画の一番の見所は「騙す」ということで、見る者が騙されたり、マフィアのボスが騙されるのを見たりと、そういうことがとても大胆で痛快で滑稽に描かれているのだ。そして時代設定の為せる技ともいうべき気品漂う上品さ。詐欺師たちの仕事っぷりも最高である。この映画は、監督と主演の二人が『明日に向って撃て!』と同じで、若きロバート・レッドフォード目当てで見たのだが、『明日に向って撃て!』の彼ほど惚れることはなかった残念。95点。