シティ・オブ・ゴッド

フェルナンド・メイレレス、2002。悪名高きブラジルのリオのスラム街を、地べた視点で捉えたクライム・ムービー。抜群に冴え渡る視覚的効果を軸に、早いテンポで最後まで緩むことなく突っ切ってしまう。もちろん物語展開や、視覚に限らず聴覚による効果も秀逸だ。この映画は実話ベースの物語で、スラムの若きギャングたちの年代記が描かれているのだが、現実性と虚構性が見事に融和している。ヒリヒリするようなリアリティを感じさせながら、極上のエンタテインメント映画に仕上がっているのだ。もちろん視覚的効果は90年代的なものを大いに感じさせるし、ドキュメンタリー的手法とポップな映像感覚なんて既視感ありありだ。でも映画の各パートがこれほどまでに上質な仕事をしていて、その連携もバッチリという映画にはなかなかお目にかかれない。演者は顔面の破壊力で勝負といったところなのだが、やはり少年時代のリトル・ダイスが圧倒的だ。大人になると若干インパクトに欠けるものがあった。メガネの相棒が良かっただけに残念だった。拳銃と少年青年の危ない関係がこの映画の雰囲気を作り出している。フィジカルな暴力なんてほとんど登場しない。そのかわり他の映画に比べて、銃を手に入れ、銃をぶっ放すタイミングが異様に早い。現実離れした現実というようなものを、映画表現に落とし込む手腕には脱帽した。100点。