天はすべて許し給う

ダグラス・サーク、1955。丁寧に作られたメロドラマの傑作。まずこのメロドラマの障害となるものが強固でありながら弱いというところが素晴らしい。やや地味な主演のふたり、ジェーン・ワイマンとロック・ハドソンに対して、助演の人物はほとんど描かれることもなく、しかしテーマには絡んでくるというその塩梅がすばらしい。例えばふたりは町の偏見と派手に戦うこともないし、子供たちはいかにも子供たちらしく自分のことしか考えていない。町と山小屋の対照も見事に描かれている。それがえげつないまでに際立つのはテレビの登場だろう。ただテレビも謙虚に描かれており、決して毒々しくは描かれていない。この映画は、色鮮やかな色彩感覚が素晴らしく、それに加えて照明も見事だ。メロドラマはこうでなくっちゃというやや大げさな色彩や照明が映画全体に溢れており、映画の印象を決定づけている。これは50年代ハリウッドの素晴らしい仕事と見るべきだろう。ロック・ハドソンはやや強引だが、謙虚さをわきまえていてとても好感が持てる。そして地味なおばさんジェーン・ワイマンが際立っていることは、ヒロインの描き方としてダグラス・サークの演出力を十分に堪能できるものになっている。100点。