ギャンブラー

ロバート・アルトマン、1971。レナード・コーエンが流れ、ヴィルモス・スィグモンドの暗い映像が渋みを増加し、物語は語られる。だがその物語からしてアルトマンらしく、明快に物が語られることはない。そもそも物語がほとんど語られていないといってもいいだろう。ニューシネマ以降的ともいえるウォーレン・ベイティとジュリー・クリスティの関係は明確に意図されたものであるのだが、他のキャラクターのあっけなさというのか無意味みたいなものは際立っていて、喧嘩になったり仲良くなったりしないところなんて、とてもアルトマンらしいと思った。街の隅々まですごく魅力的に映っていたし、突然あらわれる蒸気車?や、ただの風俗通いの遊び人キース・キャラダインの存在感と死。どれもこれも唐突で間抜けな感じでアルトマンらしい。見せ場はやはり終盤の雪のなかでの撃ち合いのシーンだろう。ここでも華麗な身のこなしからの迎撃なんてシーンはなく、ずるずると山場は展開していく。このシーンの雪はなんだか変な感じに映っていたのだが、それがまた独特の雰囲気を醸し出していた。他のアルトマン作品と比較してしまうと落ちる部分はあるのだが、これはこれで一種独特の魅力にあふれた映画だった。ただ邦題はまずい。絶対こんなタイトルつけねえよって見ながら思っていた。90点。