幕末太陽傳

川島雄三、1957。魅せようとするには、総じてカメラが遠くにありすぎるショットが多いのだが、実際、そのカメラの距離によって魅力が減じている部分もあると思うのだが、フランキー堺だけはサイズなんぞお構いなしに華麗な舞を披露している。小沢昭一とフランキー堺の、華麗ではない舞と華麗な舞の両雄には目頭が熱くなった。左幸子と南田洋子は、左幸子が完勝しているように見える。まあ大掛かりな見せ場があるから救われている部分もある。石原裕次郎一派は、数十年前にこの作品を見たみたときよりもかなり出番が多く感じられた。フランキーとの絡みでは、最初に見たときには、ションベンでいっしょになる、という程度のものだったような気がしたのだ。それが全然違っていたのだ。石原裕次郎は悪くなかったが、石原裕次郎を語るのにこの作品を敢えて強調する必要もないような気がする。他出演作品をまったく見ていないので言えた口ではないのだが。遊郭を立派に作りすぎているためか、広々としたショットが多く、特に前方から一隊がドドドと押し寄せてくるなんてショットは待ち時間のようなものが多くなってしまっているような気がした。あとはフランキー堺に漂う死の臭い、あれはよくわかるような気がした。自分が死ぬとわかっているからこその人情味がでていたように見えた。ところどころで登場する大物俳優は素晴らしい仕事っぷりを見せてくれる。95点。