駅馬車

ジョン・フォード、1939。美しい景色と娯楽アクションが奏でる最良の映画。見ているだけで後に与えた影響がわかるくらいに、スタンダードな映画になっている。コミカルなタッチで駅馬車の面々を映し出しながら物語は進んでいく。しかしこの空間演出力はすさまじいものがある。どのシーンにも優れた空間演出が見られるし、特に駅馬車内の演出は素晴らしい。女性二人の対照も見事に描かれているし、酒飲みの医者のキャラクターが素晴らしい。あとは音楽と声の掛け合いが素晴らしくて聞き惚れてしまった。アパッチの襲撃シーンは本当に無駄がなく美しくて見事だった。この映画は何度見てもキャラクターが浮かび上がってくるところがわくわくさせられる。ということは、何度見てもキャラクターを掴みきれないということなのだけど。とにかくこの映画は空間演出が総じて素晴らしい。ラストなどは拍子抜けな感じもする。でもあの空間演出も素晴らしい。ジョン・ウェインはこの映画で人気を確立した。フィルムの状態もとても良くって、日本映画では当時の映画でここまでハードとソフトの品質を兼ね備えたものは現存しないなあと思った。95点。