女っ気なし

ギヨーム・ブラック、2011。バカンス映画ということもあり、エリック・ロメールやジャック・ロジエを連想した。特にジャック・ロジエは、ギョーム・ブラックに多大なる影響を与えていると思う。ロジエあまり見ていないけれど。フランスのうらびれた港町での、定番の出会いと別れのあって、本当にちょっとしたバカンスの物語なのだが、主演の四十男シルヴァンがとてもよい。彼の孤独と愛への渇望がこの作品の根幹をなしており、孤独にしろ愛にしろ描き方がものすごく優しいのだ。物語をマクロから見てもミクロから見ても優しくて、シルヴァンを傷つけたりはしない。そしてこの映画はバカンスのロケーションがとてもいい。数々のショットは、寂しい港町の孤独さえも優しく包み込んでいる。この優しさの演出は、物語的にも映画技法的にもいえることで、緩やかなショットとカッティングがとても自然で柔らかい映像になっている。俯瞰のショットは特に印象的だった。一見なんでもないバカンス映画に見えて、実は特異な映画になっているのだが、それを説明するのは難しい。何度も見たくなる映画だ。95点。