Ruffn’ Tuff/ラフン・タフ ~永遠のリディムの創造者たち~

石井“EC”志津男、2006。レゲエのドキュメンタリーというのはかなりあって、そのどれもが素晴らしいのだが、このドキュメンタリーは他より少し弱い気がした。ただ、時期的にレジェンドたちがまだ健在の人も多く、オールスター夢の共演としては楽しめた。構成はグラッドストン・アンダーソンを軸にしてジャマイカン・ミュージックの歴史を追ったものになっている。物足りなかったのは昔の映像がほとんどないところだ。この映画にはスタジオアークで気の狂ったミキシングをするリー・ペリーも出てこないし、オーディションをする強面ジャック・ルビーも出てこない。バイクを盗まれるホースマウスもいないし、銃を構えるジミー・クリフもいない。多くのレジェンドたちのインタビューがあるのだが、まだまだ足りない。時代を追う上でも足りないし、そもそもあまり時代を追うことに執着していないような気がする。現代ジャマイカ音楽との繋がりもあまり感じられず、黄昏のオールド・レゲエ・ミュージックといった印象。この手の映画は、レゲエが好きな人はパブロフの犬状態で楽しめてしまう。たしかにこの映画もパブロフの犬にはなれるのだが、そうではない人にオススメできるかといったら疑問が残る。90点。