終電車

フランソワ・トリュフォー、1981。ドイツ占領下のパリの劇場を舞台にしたドラマ。映画を構成する各要素が素晴らしい。人の動きやカメラワークは絶品であるし、道具の使い方も申し分ない。カトリーヌ・ドヌーヴのエロスは健在で、炸裂していたといってもいい。 ジェラール・ドパルデューも悪くない。演者は総じて好演をしている。だがこの映画にはヌーヴェル・ヴァーグ的な遊び心が少なすぎるし、トリッキーな演出も控えめだ。かといって正面突破のクラシック映画とするならばドラマが弱い。上映時間は個人的にはあっという間にすぎたものの、やや長いため軽さみたいなものがなくなってしまっているし、かといって重厚さは演出上排除されている。だから素晴らしい演出はたくさん見られるのだが、その演出自体がこの映画の見所になってしまっている。あとはやっぱり見所はカトリーヌ・ドヌーヴ。95点。