タクシー運転手 約束は海を越えて

チャン・フン、2017。韓国で1980年に起きた光州事件をめぐるジャーナリストとタクシー運転手の事実に基づく物語。カメラはほとんどソン・ガンホを追っており、それゆえに視点はソン・ガンホに固定される。この事件というか当時の情勢がどこまで世に知れ渡っていたのかはわからないが、ソン・ガンホは何も知らないただの心優しき愛国的なキャラクターである。そんな視点から広州事件が描かれているのがおもしろい。描き方もドキュメンタリー的にはならず、娯楽映画なのだが、娯楽的なアクションは控えめで、軍による虐殺シーンなんかはスマートに撮っている。やはり恐るべきはソン・ガンホで、コミカルな面の信頼性は抜群であり、シリアスな面の複雑な心情も見事に演じている。あと演者ではタクシー運転手のユ・ヘジンが強烈な存在感を見せつけていた。95点。