横道世之介

沖田修一、2012。とても良い映画だし、長い映画になるのは必然だと思うのだけれど、あまりにも長すぎる。20分くらいは縮めてほしかったところ。沖田修一作品も撮影の近藤龍人も大好きで、ふたりの良い部分は存分に味わえる映画だったかなと思う。とても不思議な脚本になっていて、特に中盤以降は高良健吾のなんでもない数年間のできごとが、十数年後の友人たちから語られる構成が目立ち、写真のシーケンス以外はこれといって感動的ではないのも不思議な感じだ。これはひとえに高良健吾の感動の与えなさの勝利であると思う。高良健吾は美化されず、十数年後の友人たちも美化したりはしない。ただ高良健吾を触媒にして人は輝きを放つ。そんななかで見えてくる部分と見えてこない部分が入り交じることで、物語は豊潤なものになっていた。演者はみんな素晴らしいのだが吉高由里子がとりわけ魅力的だった。95点。