放浪者

ラージ・カプール、1951。ヒンディー語。傑作気味。3時間の大作。ボリウッドがこれほどまでに成熟した映画文化を築いていたことを全く知らなかった。当時のハリウッド社会派映画を そのまま引用して、欧州的な野心的映像演出も試みつつ、後は素晴らしき歌と踊りの世界。フィルム状態が悪いし、カッティングも乱暴なのだが、凄く生命力の ある映画。商業映画として素晴らしい。ダサい映画だけど。当時は日本も映画黄金期で、宝塚&松竹という強力な歌劇文化を持ちながら、歌劇的要素を持つ映画が弱い。小規模オルタナで終わった。

三日月

バール・マヘーンドラ、1982。タミル語映画。佳作。カマラハーサンとシュリーデーヴィによるスター映画。娯楽小品で二時間半。スター知らぬので楽しみ方の殆どを捥がれた状態。歌あり踊りありだが結構普通のベタベタドラマ。スターの芸に酔いしれる。オールアフレコ嫌い。撮影や照明はとてもレベルが低い。常識を逸脱している部分多く、少なからずショックを受ける。

戯夢人生

ホウ・シャオシェン、1993。傑作。台湾史作の一つ。「悲情城市」を期待して見たから肩透かし。「悲情城市」 の高揚感、大仰な芸術性は皆無で、ホウ・シャオシェンの他作品と同様な感じ。リー・ピンビンの素晴らしさを堪能。自然撮りの色調は完全にユニークな個性。 フィックスの画でもカメラをフィックスさせているのは多分パン棒を握るリー・ピンビンの手であり、故にとっても柔軟。目が離せない。煙草のシーンは素敵すぎ。

素敵な歌と舟はゆく

オタール・イオセリアーニ、1999。傑作すぎ。久々に映画作家の作品を見た感じ。娯楽性と芸術性が 良好に共存。こんなに面白い群像劇を見たのは久しぶり。終盤もたつくor長いが、許してしまう。映像の自然な色合いが美しい。ルブチャンスキー素晴らしい 仕事。凄まじい1ショット演出多々。計算どおりだろうけど奇跡的な人物の入れ込みよう。野心的。刑務所数ヶ月を流麗な1カットで表現。現場で作られる映 画。何度見ても発見のある映画。メッセージ性がうるさくないのが凄い。これぞ作家。カフェの娘に恋をした。この手の映画が自分の映画観の原点であると確認。邦題が覚えられない。イオセリアーニ見る。怪物。

ストア

フレデリック・ワイズマン、1983。凡作。「モデル」に引き続き、考えさせられず。ストアのスタッフがメ インなのだが、一般的な労働者の労働の現場を撮っても全然面白くない。続けてあと2本見るつもりだったが、げんなりしてやめた。初カラーか知らぬが暗い。 ワイズマン幻想が崩壊しつつある。

パブリック・ハウジング

フレデリック・ワイズマン、1997。いまいち。シカゴ郊外の低所得黒人向け公団住宅のおはなし。住民の覇気の無さに驚く。公団ゆえに集会とかを多く撮影しているのだが、住民の活力がないから面白くない。シカゴは黒人音楽が盛んな街だが、この地区からは著名な人が出て来そうにない。

州議会

フレデリック・ワイズマン、2006。凡作。字幕が多すぎて読むのをやめた。半分くらい見て帰った。殆ど全ての語りは、議会とか委員会で、あまりにも興味が無さ過ぎた。どうもワイズマンのスタイルにしか興味がないみたい。アテネフランセって見る環境として最悪。