最前線物語

サミュエル・フラー、1980。良作。フラーの実体験を元にした戦争映画。結構なハイバジェット。でもハリウッド戦争映画としたらかなりのローB。死の美学や 拠り所を一切与えない映画。生き残り全肯定。往年のフラーからはかなりブランクがあるが、Bなセンスというか、エグくなってしまう演出、唐突なエモーショ ンは、さすが。育ちの粗雑さと歪曲したメイク能力がBたる所以か。Bな社会派。B なコメディ。Bなドラマ。Bな活劇。サミュエル・フラー恐るべし。過去作を見返そう。映画は理知と野心だと確認。

ワイルド・パーティー

ラス・メイヤー、1970。良作。ラス・メイヤーのハリウッド進出第一弾。ハイバジェットセックス プロイテーションフィルム。流行を何も考えずぶち込むから時代が丸見え。音楽なんかはフラワーまみれで、野心も無く、相当ダサい。ファッションもしかり。 しかし論考も無駄。阿呆映画だから。目まぐるしい下手なカット割り、やや弛むシーンメイク、見事とは言い難いぶっ飛ばすシーン割り、阿呆の考えることはよ く分からぬので、ただ浴びるしかない。適当に見れるので気持ちいい。最後に登場人物についての説明&説教が入っていて、これも阿呆。最初に見るラス・メイ ヤーとしては相応しくない。60年代セックスBを押さえよう。ソフトコアな巨乳モノの巨匠。しかしハリウッドのゲテモノ食いは凄いなあ。米国を尊敬する。

コメディ・フランセーズ  〜演じられた愛〜

フレデリック・ワイズマン、1996。傑作。ワイズマン初の外国映画。相変わらずインスティテューション映画。国立劇場を舞台にフランス社会の縮図を見事に描く。映像の豪腕っぷりは相変わらず凄い。撮影も凄いけれど録音も同じくら い凄い。説明的でないのは毎度敬服。フランス社会も国立演劇もとっても嫌いなのに、好き嫌いの問題なく見られるのは、ワイズマンを相当好きだという、好き嫌いの問題だと確認。ワイズマン、日本でのロードショー公開やパッケージ化が少なすぎる。日本はアメリカ大好きなはずなのに、映画に関しては本当に無関 心。

中国女

ジャン=リュック・ゴダール、1967。傑作小品。かなり分かりやすいコメディ色強い政治映画。かなり低予算。手作りアートっぷりが若くて素敵。いわゆる普通のカット割りが殆ど無い。元々少ないけど。コラージュ連発。カメラも殆ど作為的な移動をしない。5月革命の前年の映画。5月革命を描いたフランス映画とこの映画の若者たち、空気が凄く似ていて、ゴダールのドキュメンタリー的臭覚の鋭さを確認。音と映像やはりゴダール感覚がポップ。ジュリエット・ベルトはやはり素敵。

黒い家

森田芳光、1999。駄作。サイコホラーコメディ映画。サイコホラーの使用法が分からない。森田色は薄めに出ている。撮影が随分ノーマルになった。恥ずかしい演技と、ホラー独特の長すぎる間に耐えられず、早送り。

VERSUS

北村龍平、2000。不思議な映画。 アクション。映像を作るのが上手だけどダサい。映像の連なりを作るのが凄く上手だけどダサい。役者は演技も外見もダサい。でも男女の幾つかのシーンなんか は映画的な感動をしてしまう。映画内映画。全てにおいて現実と比較することを避ける映画。フィクション。こんな浮世離れ映像に対して、音の使い方を軽々に は判断できないが、最悪のアフレコ。架空の言語の世界の映画の下手な日本語吹き替え版。音楽もダサい。時間の長さに憤慨。

太陽はひとりぼっち

ミケランジェロ・アントニオーニ、1962。良作。アラン・ドロンは脇役で、モニカ・ヴィッティの映画。モニカ・ヴィッティは前見たときの記憶より表情が豊かで、行動も論理的であった。見たのはフランス語版だったのだが、モニカ・ヴィッティの魅力はイタリア語でこそ輝くのでイタリア語版で見たいところ。舞台もイタリアだし。アントニオーニにしては「意味」がありすぎる。邦題酷い。