浮き雲

アキ・カウリスマキ、1996。傑作。現代社会が抱える問題を、珍しく少しドラマチックに描く。ドラマは古典的で はあるけれど、演出は冴えまくりで、本当に素晴らしい。色の使い方、照明が、凄く変。サルミネンはやはり殺風景な構図の達人。構図ありきのカメラマンで、 ガチガチに固めるけれど、余白を凄く活かすから、窮屈さが無く、変な空間に仕上がっていて、素晴らしい。カウリスマキ、未見の作品見る。

東京オリンピック

市川崑、1965。傑作。再編集版を見る。多分再編集版の方が面白い。東京オリンピックドキュメンタリー。「資本主義の祭典」オリンピックを、記録映画として押さえた芸術映画。競技撮影なんて記録しながらも完全アートだし、編集も劇映画的。音が凄くて、 音声は相当にリミックスしているし、出し引きも絶妙。足音だけのアベベとか感動する。アフレコによる競技音が炸裂しているのも劇映画的。レニが肉体の躍動をベルリンで描いたように、市川は身体の動的な多様性を描いている。そして表情を描いている。最初のシーンで最大の不安が払拭されて良かった本当に。

友だちの恋人

エリック・ロメール、1987。良作。ひと月以上かけてようやく入手した待望の作品だったが、既に見ていた。全部覚えていた。後悔。お話はロメール的恋愛うだうだ話。この作品はロケーションが、いわゆる路上を一切排除していて、再開発的人工の街と自然ばかりで、ロメールはそういえば路上撮影をあまりしない。バカン ス撮りの名手。自然と人間の共存、近代ではバカンスが最も手近なシチュエーション。。都市の再開発を通り越して架空の都市みたいになっちゃっている街がすごかった。会話のシーンのカット割りはすっごくロメール。ちょい間違えても即復旧はすっごくロメール。

WiLd LIFe

青山真治、1997。良作。内容がイマイチよく分からない。ヌーヴェルヴァーグのフィルムノワールに対するアプローチを引き継いでいてとてもシネフィルぽくて良い。カットの始まりのカメラの動きがうっとおし気味。

コード:アンノウン

ミヒャエル・ハネケ、2000。凡作。毎度野心は買いたくなるハネケだが、この作品は平凡すぎる。字幕が良く分からない部分がある。このやり口でワンシーンワンカットを選択した時点でカット割りの面白味すら無くなりアウト。ジュリエット・ビノシュの笑い声は気味が悪い。

幽閉者 テロリスト

足立正生、2006。良作。序盤見逃す。途中度々眠る。寡黙で美しい映像展開。田口トモロヲ一 人芝居的。NHK番組の語り口もご披露。足立の脚本の上手さを確認。音楽とても良い。ギターが度々良い。大友だろう。PANTAの音楽のダサさはかなり恥 ずかしい。PANTAを許せる価値観を持てると良いのだが頑なに拒絶。

マリー・アントワネット

ソフィア・コッポラ、2006。駄作。見るべきシーンは多々ある。でもそれしかない。そしてそのシーンの良さが、既に初作において成されているものが多く、 そこで覆された常識を覆すほどのアイデアは無い。メイクミス。これ致命的。脚本が怪しい。ブライアン・レイツェル参加以降、音楽が怪しい。音楽を使うシー ン、タイミングは、やはり初作が図抜けていた。コスチューム・プレイと映画館は文化的に嫌い。DVDでもう一度見るように。次作大いに期待未だアナウンス なし。「ロスト・イン・トランスレーション」も劇場で見たときは駄作と思ったが今や大傑作。同じ道を歩むこと望む。 アーシア・アルジェント良かった。