夫婦善哉

豊田四郎、1955。良作。じめじめしていないところが素晴らしい。東宝調の明暗は見ていると眠くなる。この映画における主演の二人は、日本映画史に残るヒーロー、ヒロインであると思う。

浅草の灯

島津保次郎、1937。良作。浅草オペラの舞台の感じが見られてうれしい。音声がかなり危うくて、内容が良く分からなかったりする。若かりし高峰三枝子はいつ 見ても素晴らしい。杉村春子は映画初作27才。他出演陣がとても豪華。最近の映画は、省エネ長回しが多くてうんざりするのだが、当時の映画はカッティングが贅沢。

ピクニック at ハンギング・ロック

ピーター・ ウィアー、1975。良作。序盤のスピリチュアルな展開が凄すぎて、画も感動しすぎて、中盤以降の映像の凡庸さとのギャップに耐えられず。この序盤の美学は自主映画的な野心に満ち溢れていて感動する。尺が90分なら相当良い映画。

グエムル -漢江の怪物-

ポン・ジュノ、2006。傑作。前作では鳴りを潜め気味だったユニークでブラックな重喜劇が、大商業映画のまま執行されている。大商業と作家性の折衷という意味では、ハリウッド以外ではこれほどに華麗な前例が思い浮かばない。日常に潜む異常な状況を際立たせ、非日常の状況下に日常を配置する。その違和感が素晴らしい。前作があまり好きではなかったので、前作大商業に初作をハイブリットした感じが感動的だった。ペ・ドゥナ良いなやはり。中でもジュノのドゥナはとても良い。

ベニーズ・ビデオ

ミヒャエル・ハネケ、1992。佳作。絶望的な映画。前作ほどスタイリッシュではなくなった。殺すシー ンは見事だった。前作同様生命力の無い人間描写と映像描写。ハネケ映画はテーマが重く、演出も重く、見るのが疲れる。頭丸めたりエジプト行ったりのセンス がいまいち合わず。

ロンドン・アンダーグラウンド

マット・リプシー、1992。ドキュメンタリー。多分テレビ番組。字幕なし。凡々な凡作。時代が時代だから80年代の名残り臭がキツイ。サブカルをちょろっと撮ってきました的お仕事感。記憶に蓄積されない映像。日本人が使うアンダーグラウンドという言葉の感覚ではない映画。サブカル映像。もっと都市の辺境的事象を捉えてもらいたかった。もしくは現代サブカル解析的手法。これと比することにより、他の音楽ドキュメンタリーの素晴らしさを確認。

71 フラグメンツ

ミヒャエル・ハネケ、1994。佳作。疲れる映画。ハネケ最初から見ようと思って3作品で挫折。娯楽映画だが親切な映画ではない。スタイルも飽きてくる。DVDには毎度監督のインタビューが入っていて、すごく邪魔。