アンストッパブル

トニー・スコット、2009。これは中途半端な作品だなあ。脚本がダメなんだけどクリス・パインの家族の描き方が薄い。クリス・パインとデンゼル・ワシントンのバディ感も薄い。クリス・パインが列車の最後尾で降りて、先頭の操縦席に行ったのは驚いた。今でも分からない。誰でもいいじゃん。もっと前に解決できるでしょ。2つの理由を説明しているけれど、それとこの形との不条理なズレはイタい。これは理屈上合わない脚本だなあ。それで更に問題なのは脚本が凡庸なんだよね。やっぱりこういう映画でもこだわりが感じられると嬉しいんだけどね。ハリウッドはこういう使い捨て娯楽映画を作るから嫌だなあ。僕はそんなスタンスで映画を見ない。キートンの大列車追跡が見たくなった。でもこの映画でフーターズを知ったんだけど、とても行ってみたい。死ぬまでにはアメリカの黒人いっぱいいるフーターズに行きたい。

ゲゲゲの女房

鈴木卓爾、2010。水木しげるの奥さんが書いた小説?の映画化。結婚から貧乏な無名時代を描いている。ドラマ内アクションをひたすら控え、淡々と進める。音に特徴があり、雨音、時計の音、釘の音。あとは歌が良かったね。でも音楽は最悪だった。音に拘るならこだわり尽くさないとダメだよ。まあ音楽は好みの問題もあるけれど。2階の住人と餓死する青年と飯食ったところから展開が変わる。子供が出来る。ここの展開はすごく緊張感があって面白かった。でも元々のストーリーが面白く無いというか、貧乏物語になっちゃっているから面白い企みをするのは難しいね。正直2時間見るのは辛い映画だし、たむらまさきのカメラも、ダイナミックなパンとか見られず、1シーン1カットが多いけれど、それが効果を出していたようにも思えない。ストーリーとカメラは退屈の原因だとも思った。でも日本映画の中じゃすごくユニークで、前衛的でありクラシカルでもある。語る(語らない)ことにすごくこだわりを感じた。吹石一恵良かった。

お家をさがそう

サム・メンデス、2009。素晴らしく現代的なロードムービー。2010年代カルチャーとしての若者、この時代はこの映画のカップルのように33歳でも若者なのだ。子供が出来るから引越しするため、知り合いを尋ねるんだけど、家族というのは精神的にも肉体的にも、欠落した部分が多く、そんなものに出くわしていく二人は、家族とは、というものに悩む。でも大して悩んでないし、主人公カップルは危機なんてまるでなく、とても仲が良い。貧乏人の悲壮感もなく、仕事が無い事への焦りも無い。このような若者はアメリカにも日本にも増えている。ジェネレーションYや、団塊ジュニア。この映画は今までの映画には無かった価値観を持つ世代を、淡々と静かに描いている。カット構成もゆっくりしていて、聞いていなくてもいいセリフも多くて、音楽も心地よくて、景色も良くて眠くなってしまったけど、良い感じの映画でした。マーヤ・ルドルフは素晴らしい好演。

バーレスク

スティーヴン・アンティン、2010。僕はクリスティーナ・アギレラってミュージシャンとしてはよく知らないんだけど、ストーンズのライブドキュメンタリリー「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(これは素晴らしすぎる作品)で、アギレラがゲストで出ていて、堂々たる歌いっぷりでファンになった次第。これはアギレラの主演作。うまくメイクすれば美人だし演技が出来て歌って踊れるなんてエンタテインメントではパーフェクトだなあ。この作品は脚本が甘い。いかにもありがちなストーリーだし、登場人物全員を上手く葬るのが脚本家の役目なのに、なあなあで終わらせてしまう責任感の無さ。でもこれらがバーレスクでのショーで打ち消されてしまうんだよね。例えば金持ち男の最後を葬ってないんだけど、すぐ後に爆発的なショーを被されると、脚本なんてどうでもいいと思っちゃう。ショーを見せるために、わざとテキトーな脚本を書いたのかと疑ってしまうね。それくらいアギレラとその他のショーは魅力的。いつの間にか時間がたってしまう。前半のスピード感がすごく良くて、後半は少しだれたけれど、それでもこういう映画にしてはスピード感があった。アギレラのライブ見たいなあと思った。気持ちのいい映画だった。

(500)日のサマー

マーク・ウェブ、2009。僕はズーイー・デシャネルが大好きで、She & Himでズーイー・デシャネル知ったんだけど、映画で見たことなくて、これは主演だから是非見てみようと思って見た。ズーイー・デシャネルはすごく素敵だったなあ。男性の描く女性観の極致という感じ。この映画の素晴らしいところはテンポがいいこと。ミュージカル風になったり、ちょっと遊びを入れているんだけど、サクサク進んでいくから気にならない。音楽の入れ方もテンポの良さを感じた。あとアクシデントが無いのもいいね。誰かが死んだり、誰かに何か秘密があったり、そういうのは全然なく、純然たる恋愛映画として成り立っている。500日を分断してシーンがメイクされているんだけど、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの心理的変化は激しいのに、ズーイー・デシャネルはいつも近づいては離れ、変化がない。絶望的な恋物語をここまでポップに描ききる手腕は大したもんだと思う。クロエ・グレース・モレッツがキック・アスな感じで出ていた。

丹下左膳

松田定次、1952。主演阪妻のやつを見た。このお話は新聞小説を映画化したもので、古典落語のようにお話の筋道が面白く、簡単簡潔なため、大量にこれを原作にした作品が作られた。有名なのは何と言っても1935年の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」。僕はこれを見て映画のマジックに魅せられて、映画の世界にズブズブとハマってしまったのです。そして今回のやつは出来は普通。ハリウッドマナーが大分入っていて娯楽作品としてはいいんじゃないかと思います。

スウィート・スウィートバック

メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ、1971。駄作。とても眠くなる映画で、全て見るのに3日かかった。カット割が嫌がらせのように見づらい。編集で無理やり作っている映画だと思うのだが、それを90分以上見せるのは、前衛映画でもない限り無理がある。