式日

庵野秀明、2000。しみったれた映画。総じて美的センスが合わない。ビルの美術がとても嫌いだった。藤谷文子の衣装も嫌い。でも藤谷文子は良かった。クソ長い映画なのに印象的なシーンが無かった。大竹しのぶの長めのカットなんて重要なシーンのはずなのにあくびが出た。あと何だあのナレーションは。醜悪。特典映像に短編映像が 入っていたけどそっちの方がよっぽど良かった。庵野は長編映画作る能力無いなやっぱり。それとも僕に庵野の長編映画を見る能力が無いか。初見の印象を覆せず。

ブエノスアイレス

ウォン・カーウァイ、1997。凡作。ゲイの映画。すれ違い系。毎度のこと。ゲイをセクシャル・マイノリティとして描かない、ただ単に男と男であるだけという、珍しい映画。女が見たいという欲求を高揚させる映画。殆ど内容が無い映画。ドイルの撮影は少々辟易。ドイルはやはり群像でないと撮れない。焦点が明確な状況を長時間持続することが出来ない。ウォン・カーワイもまた然り。音楽の微妙に危ういセンス、絶妙な使い方は相変わらず天才的。

浮き雲

アキ・カウリスマキ、1996。傑作。現代社会が抱える問題を、珍しく少しドラマチックに描く。ドラマは古典的で はあるけれど、演出は冴えまくりで、本当に素晴らしい。色の使い方、照明が、凄く変。サルミネンはやはり殺風景な構図の達人。構図ありきのカメラマンで、 ガチガチに固めるけれど、余白を凄く活かすから、窮屈さが無く、変な空間に仕上がっていて、素晴らしい。カウリスマキ、未見の作品見る。

東京オリンピック

市川崑、1965。傑作。再編集版を見る。多分再編集版の方が面白い。東京オリンピックドキュメンタリー。「資本主義の祭典」オリンピックを、記録映画として押さえた芸術映画。競技撮影なんて記録しながらも完全アートだし、編集も劇映画的。音が凄くて、 音声は相当にリミックスしているし、出し引きも絶妙。足音だけのアベベとか感動する。アフレコによる競技音が炸裂しているのも劇映画的。レニが肉体の躍動をベルリンで描いたように、市川は身体の動的な多様性を描いている。そして表情を描いている。最初のシーンで最大の不安が払拭されて良かった本当に。

友だちの恋人

エリック・ロメール、1987。良作。ひと月以上かけてようやく入手した待望の作品だったが、既に見ていた。全部覚えていた。後悔。お話はロメール的恋愛うだうだ話。この作品はロケーションが、いわゆる路上を一切排除していて、再開発的人工の街と自然ばかりで、ロメールはそういえば路上撮影をあまりしない。バカン ス撮りの名手。自然と人間の共存、近代ではバカンスが最も手近なシチュエーション。。都市の再開発を通り越して架空の都市みたいになっちゃっている街がすごかった。会話のシーンのカット割りはすっごくロメール。ちょい間違えても即復旧はすっごくロメール。

WiLd LIFe

青山真治、1997。良作。内容がイマイチよく分からない。ヌーヴェルヴァーグのフィルムノワールに対するアプローチを引き継いでいてとてもシネフィルぽくて良い。カットの始まりのカメラの動きがうっとおし気味。

コード:アンノウン

ミヒャエル・ハネケ、2000。凡作。毎度野心は買いたくなるハネケだが、この作品は平凡すぎる。字幕が良く分からない部分がある。このやり口でワンシーンワンカットを選択した時点でカット割りの面白味すら無くなりアウト。ジュリエット・ビノシュの笑い声は気味が悪い。