素敵な歌と舟はゆく

オタール・イオセリアーニ、1999。傑作すぎ。久々に映画作家の作品を見た感じ。娯楽性と芸術性が 良好に共存。こんなに面白い群像劇を見たのは久しぶり。終盤もたつくor長いが、許してしまう。映像の自然な色合いが美しい。ルブチャンスキー素晴らしい 仕事。凄まじい1ショット演出多々。計算どおりだろうけど奇跡的な人物の入れ込みよう。野心的。刑務所数ヶ月を流麗な1カットで表現。現場で作られる映 画。何度見ても発見のある映画。メッセージ性がうるさくないのが凄い。これぞ作家。カフェの娘に恋をした。この手の映画が自分の映画観の原点であると確認。邦題が覚えられない。イオセリアーニ見る。怪物。

ストア

フレデリック・ワイズマン、1983。凡作。「モデル」に引き続き、考えさせられず。ストアのスタッフがメ インなのだが、一般的な労働者の労働の現場を撮っても全然面白くない。続けてあと2本見るつもりだったが、げんなりしてやめた。初カラーか知らぬが暗い。 ワイズマン幻想が崩壊しつつある。

パブリック・ハウジング

フレデリック・ワイズマン、1997。いまいち。シカゴ郊外の低所得黒人向け公団住宅のおはなし。住民の覇気の無さに驚く。公団ゆえに集会とかを多く撮影しているのだが、住民の活力がないから面白くない。シカゴは黒人音楽が盛んな街だが、この地区からは著名な人が出て来そうにない。

州議会

フレデリック・ワイズマン、2006。凡作。字幕が多すぎて読むのをやめた。半分くらい見て帰った。殆ど全ての語りは、議会とか委員会で、あまりにも興味が無さ過ぎた。どうもワイズマンのスタイルにしか興味がないみたい。アテネフランセって見る環境として最悪。

稲妻

成瀬巳喜男、1952。佳作。大映。画質音質共に状態が悪い。これより後の成瀬は、アップをもっと上手く使っていた ように思うが、この映画はフルショットを多用。目線のカット割、振り向きざまのカット割などはこの作品でも多用。路地などの美しさは成瀬ならでは。ラスト近辺が凄く良くて救われた。

夫婦善哉

豊田四郎、1955。良作。じめじめしていないところが素晴らしい。東宝調の明暗は見ていると眠くなる。この映画における主演の二人は、日本映画史に残るヒーロー、ヒロインであると思う。

浅草の灯

島津保次郎、1937。良作。浅草オペラの舞台の感じが見られてうれしい。音声がかなり危うくて、内容が良く分からなかったりする。若かりし高峰三枝子はいつ 見ても素晴らしい。杉村春子は映画初作27才。他出演陣がとても豪華。最近の映画は、省エネ長回しが多くてうんざりするのだが、当時の映画はカッティングが贅沢。