家族の気分

セドリック・ クラピッシュ、1996。良作。ジャウィ&バクリの戯曲?をクラピッシュが映像化。カメラがブノワ・ドゥロームに変わったのはとても大きな変化。適切で寡黙なカメラワーク。自然光をキャッチするのが上手。クラピッシュ作品の以前の大味なフレーミングは無い。クラピッシュは職人のように監督している。この流れ で「猫が行方不明」へとつながっていく。ジャウィ&バクリは個人的には縁の薄い良質なフランス演劇を感じさせる脚本を書くのでありがたい。縁無しセザール系。でも確か公私ともにコンビ解消。ジャウィは、当時より現在の方がどんどん美しくなっている。やはり何か野心持ってやってる女は素敵。

何がジェーンに起ったか?

ロバート・アルドリッチ、1962。嫌い。ベティ・デイヴィスがうるさい。ハリウッド映画をますます嫌いになった作品。往年の大スター映画。時代遅れ。60年代とはとても思えない。ヴィクター・ブオノ関連シーンが最高に素晴らしい。つかみ所の無い 夢のファンタジーにしてリアリスティック。

初恋

塙幸成、2006。最低映画。ラスト近辺の泣かせどころの商業主義、大衆迎合には脅威を感じた。危ない映画。宮崎あおい信奉者としても物足りない。

エル・スール

ヴィクトル・エリセ、1982。秀作。正統的な撮影編集。映画的な光と影の使い方が秀逸すぎる。脚本演出が物凄く上手い。分かりにくいドラマじゃないのに分かりにくい映画。唐突な終演は美しかったが、後半部分を撮れずに終わったのが悔やまれる。劇場で見るべき作品。

赤い天使

増村保造、1966。傑作気味。戦争映画としては異色の作品。戦争ファンタジーラブストーリーな趣。 でもリアリスティックに描くんだなちゃんと。若尾文子は演技は控えめだけれど、やってることすごいのね。女の情念、相変わらず、しかしながら多用な。増村 は「オレは十年早すぎた」って言ってたらしいけれど、この作品はその典型。三十年くらい早いような気がする。あと僕はこのカメラマンの不器用な感じがとても好きかも。

痴人の愛

増村保造、1967。見たことあるのに見てないと思って間違えて見た。この特集上映で、若尾文子がいない増村初めて見たけど寂し過ぎて。毎日のよう にスクリーンで若尾文子見てたら、もう若尾文子なしでは生きていけない状態になってしまった当分。小沢昭一はとっても良かった。

プレイタイム

ジャック・タチ、1967。駄作。当時フランス映画史上最大の制作費で作られて、客が入らなかった映画。フランス人に敬意。ロングショット多用、言葉が入り乱れるが台詞が殆ど無いなどの全般的な音の処理など、かなり実験的なのだが、この人はいつもセンスが悪い。フレンチエスプリオールドスタイルなセンス。前半は見られたが後半は最悪だと思う。ブニュエルやマカヴェイエフみたいな奴のほうが邪悪だから好き。ジャック・タチは真面目すぎる。